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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第5章 〜怪盗キッド対策会議





警視庁内の会議室では、既に何人もの刑事達が席についている。開始の時間は15分前をきり、所狭しと大勢が集ったが会話も全くない沈黙状態だ。刑事は全員顔を強張らせ、通常には無い緊張感もある。警視総監も参加するのだ。同行してきた不参加のコナンと一般人だが参加する安室、そしてコナンの居候先で安室の師匠──毛利小五郎は、その落ち着きのない雰囲気に呑まれてしまってソワソワと辺りを見渡した


「な、なんか凄いね…。いつもと違って…」

「無理もねぇだろ。被害者を交えた会議なんてのは、普通ありえねぇ事なんだしな。しかも、手厚く世間に緘口してよぉ」

「えぇ…。きっと上層部からの圧力もあります。相当の経済力がある御家でしょうね…」


三人が互いに顔を寄せ合い、小声で密かにそう会話した。聞こえた者は誰もいないだろう。室内の最奥に席があって、一番目立たない場所にいた。

現在、彼らは警察の依頼で会議の参加を控えている。捜査二課の正式な要請で、警部の中森銀三から届いたのだ。然し、肝心な依頼の詳細は一切記されていなかった。会議の際に初めて伝えられる、漏洩が許されない極秘案件らしい。そして、それを聞いて舞い上がったコナンは、直ぐに自分も行くと名乗り出た。一悶着あったのは言うまでも無いだろう。上手く言いくるめて同行できた。

だが、いざ手がかかりを得ようと思うも、周囲の雰囲気がそうはいかない。話しかけられる空気じゃなかった。コナンの探究心に尚更火がつく。


「(止むを得ねぇな。こうなりゃ、おっちゃんに盗聴器つけるしか…)」


そう思ったコナンが、ズボンのポケットから小型の盗聴器を取り出した時である。不意に会議室の扉が開いて、袴姿の女性が現れた。すると、その時扉がガタリと鳴って、全員の視線が一斉に注がれる。入ってきた女性を見るや否や、安室とコナンは目を見開いた


「……遅くなって申し訳ありません。榊家が跡取り、榊麻衣です。会議に呼ばれて参りました」


そう名乗った女性は紛れも無い事に、いつかのポアロで出会った『彼女』だ。コナンと安室は瞬時に脳内で、カチリと答えを噛み合わせていく。麻衣の台詞から導き出せるのは、たった一つの可能性だった。


「「(……まさか、被害者ってあの人の事なのか!?)」」


予想外の再会に加え、とんでもない事実が舞い込んだのである──
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