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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第24章 〜疑わしきは、誰なりや〜



沖矢昴がその場面に遭遇したのは偶然だった。自分が居候している屋敷の家主の親戚だという江戸川コナン、彼とその友人の少年探偵団を名乗る子供達の面倒を見ていた時だ。彼らが公園でサッカーで遊ぶというので、いつも同行している阿笠博士が一緒にいれない代わりにコナンから誘われ同行した。

そして狭い住宅街の路地を元太と歩美と光彦が意気揚々と駆け出し、それに「危ねぇぞ」と声をかける精神年齢が大人なコナンと灰原、そのやりとりを沖矢が一番後ろで見守りながら一同は公園を目指して行く


「……そういえば最近、巷で真っ黒な奴に一方的に話し続けられる事があるそうよ」

「真っ黒な奴?!」

「……」


前方で仲良くはしゃいでいる子供達を監視しつつ、灰原が思い出したように噂を口にすればコナンが大きく目を見開いて反射的に隣の灰原を見る。後ろで沖矢も声こそあげなかったが、普段は細められた両目が鋭さをもって僅かに開いている。彼らにとって真っ黒な人間、と比喩されれば真っ先に想像されるのは凶悪な犯罪組織。しかし『話し続けられる』不審行為や、表立って噂されて目立っている事から「何だからしくない」と思ってしまう

一応彼らが追っている犯罪組織も黒を特徴とするが、裏で大きく活動している割に目立った行為や証拠を作るのを避ける傾向にあった。何せ普段は一般人に紛れ込んで生活している為、噂される怪しい言動をするのは可笑しいと思ったのだ。これは組織が関係している噂ではない。



「ええ、本当にただ『話し続けられる』だけなんですって。一応話した事実は覚えているのに、その内容が全く分からないらしいわ。顔つきも、性別も、声音も、身長も、服装も全部不明。分かっているのは、ひたすらそいつが真っ黒な見た目で一方的に喋ってるってくらいかしら」

「は……?いやいやちょっと!」

「待ってください、見た目は兎も角声の区別もつかないなんて可笑しい。話しかけられているんですよね?」


一瞬灰原の話に唖然となったが、すぐに持ち直したコナンの素早いツッコミと、沖矢からの「意味がわからない」といった冷静な指摘が入る。まさか凶悪犯罪組織が絡んだ可能性を否定した矢先、それより遥かに危ない情報が投下されるなんて誰が予想など出来ただろう。灰原は噂話自体を訝む沖矢の問いに頷いて肯定し、隣を歩いている頭脳明晰な男を横目に見た
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