第18章 〜少年は現状に不満を抱く〜
「心霊現象ですか……。一応そういう類の存在に関して、昔は兎も角、貴女方の事もあって少しは信じていますが。何かの勘違いとかではなく?」
「それは現状で真偽の判断ができません。この依頼は手紙で来たものでして、直接見ないことには何とも言えないです」
安室は顎に手を当てながら、難しい顔で一つ頷いた。警察であり探偵でもある彼にとって、心霊現象というのは当然専門外である。何なら麻衣達の事を知るまで一切信じていなかった。なので、依頼に同行するのは新鮮であると同時に、人智を超えるものに対する少しの不安と警戒があった。未だ人為的な事象の線もあるが、何方にしても質が悪い事に変わりない
最早、正義感の強い安室にとって返事はイエス以外に無かったーーー