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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第15章 〜山姥伝説 前編〜



「「………」」


再び事情聴取をしたいと言った麻衣に、風見が反対こそしないが無駄に終わるかもと忠告する。しかしその傍らでは、人ならざるモノを斬ったとされる逸話持ちの刀剣達が険しい顔で血溜まりの跡を睨みつけていた───










それから、第一現場を観察し終えて第二第三の現場を見に行き、彼らは揃って山を降りた。その際、麻衣がふと山を出てすぐの道端に刺さった木の看板を横目に見る。そこには『シユカメ山』と書かれていた。何故だか、麻衣はその名を妙な響きである感じる

そして彼らは山を降りると、続いて村全体の事情聴取にあたった。警察所属である黒田と風見をリーダーとして、前者に膝丸と山姥切長義とにっかり青江を据える。風見に麻衣と山姥切国広、髭切と五虎退が付いた。現在、彼らがいる集落は若者が少ない割に五十代以上が多く住んでいる。そこで二手に分かれて二十軒ほどある民家を分割するのだ。彼らは解散と同時に、早速聞き込みを開始した

ところが、風見チームが昼頃になって四軒も訪ねると風見にげんなりとした空気が漂っていく。四軒目になる事情聴取を終え、「ありがとうございました」と礼を言って別れた後に大きなため息を吐いた


「……やはり、村人達のアリバイは完璧みたいですね。こういう田舎独特というか、村人達の情報網で誰のプライベートも詳しく把握出来てます。それも一切埃が見えず、綺麗すぎるほどに」

「うんうん。今のところ、全員の聴取に可笑しい部分は見当たらないからねぇ…。さすがに上手く出来すぎいて、気分が悪くなりそうだ」


すっかり気疲れを起こしたらしく、顔までもううんざりと言いたげな口ぶり風見が喋るとそれに髭切が同意を示した。彼は常にふわふわしているせいか、捜査中の今も緩んだ雰囲気が全く揺るがない。なのにそのくせ、他の仲間達と同様彼女の周囲を守る隙の無さも窺える。そして一見緊張感に欠ける只者じゃない彼の態度は、風見に心労を齎す事も無理がない状況であった。風見は元々険しい顔を更に不満ありげに歪め、聴取を始めた時から燻っている思いを愚痴にした


「……それに、一体ここの住人は何なんだ?山姥なんて所詮、よくある子供騙しの逸話でしょう。みんな最終的にはそればっかりだ、彼らが盲信している意味が分からん」

「おや?君は本気でそう思うのかい?」
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