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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第3章 〜全てはここから始まった〜



そして最初に聞こえた声は、とても楽しげな会話の後の感慨深げで真剣なものだ。



「───いやぁ、にしても話が変わるが。君と出かけるのは久々だな、2年ぶりかい麻衣?」

「ええ、確かにそのくらい経ちます国永。此処らは事件の多発地帯で、以前の私なら穢れが移るほど町の空気は荒んでましたよ。お陰でこの2年は修行ばかりで久方ぶりの外出です…。瘴気は年々増す一方だし、何も改善されてません」

「ですよね…。 いまではべつめい【犯罪都市】やら【日本のヨハネスブルク】がよびなです」

「うわっ、何その物騒な名前…?! 本当にこの町普通じゃないじゃん、ちゃんと主を守れるの剣?」

「もちろんです!! 清光はぼくをあまくみすぎです!」

「(………はぁ?)」



取り敢えず此処までの一連の会話は、コナンが余す事なく聞きとった。然し、その内容は現実主義者で非科学を認めない偏見的思考の彼にとって、「穢れ」や「瘴気」やらの慣れない言葉は理解に苦しむ単語の羅列。思わずついた心の声は、非常に素っ頓狂なものだった。だが、



「(おいおい、この人達何かの宗教か…? 『穢れ』とか『瘴気』とか『修行』なんて、普通に考えて言わねぇだろ…。いや、それは取り敢えず後回しだ。2年間の修行や外出禁止に『主』呼びを視野に入れると、宗教或いはオカルトじみてる特殊な組織って可能性も…。 だったら思うに四人は主従で、会話を考えればトップは『麻衣』さんか『国永』さんってことになるが…)」



と、この際会話の分析は後回しなのか、今度は関係を考察するコナン。四人の名前は会話の順で、白が特徴の色男が国永、集団で唯一の女性が麻衣、赤い瞳の少年が剣、赤いマニキュアの男が清光、と聞いている。そして、会話の特殊なオカルトの単語や『主』と呼ばれる存在を知り、コナンは大まかに仮説を立てた。
とは言え、意味する事は何れも同じで、『普通に胡散臭いの言葉に尽きる、非現実主義者の集まり』である。
だからか、現実主義なコナンの興味はあっという間に四人から薄れた。


「(……オカルトなんてあるわけねぇだろ。阿保らしいったらありゃしねぇ)」



果たして、彼のその否定的決めつけが間違いであると気づく時は、一体何時頃来るのだろうか。そして、コナンが初対面で感じた異質性も、事実であったと知るのは何時か───
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