第6章 これからは
どこかで八戒は止めにはいる側だと思っていたのだろう
「すみません」
と苦笑する八戒に
「まぁ、あんだけ戦えりゃー、まぁー、なぁ~」
「な!名強ぇし大丈夫だよな!」
と初めは渋っていた悟浄も戦闘で確信を得、悟空は仲間が増えることに喜んでいた。その間、笑っている名はどちらにするか決まっているようで、綾も諦めの表情だった。
「私は行きません」
名の一言に皆が驚く。
「え?なんで?!三蔵の妹なんだろ!?」
「てっきり、いらっしゃるかと」
と驚く悟空と八戒。
「んー、会えたのは嬉しいし一緒に居たい気もしますが、私の家族は今ここなんです」
そう笑う名には何も通じない雰囲気で、悟空は家族だと言う綾達と名の様子に自分と三蔵の今までを重ねていた。
笑ったり、怒ったり、様々な事がたくさんあって、自分にとっての悟浄と八戒の出会いはきっと名にはショウ達だったりする訳で、その間にポッと出の自分達の入る隙はなさそうだと改めて感じれば
「それもそうだな」
と名が大事にしたいものは自分と同じな事に嬉しくも思えた。
「ま、生きて噂が聞ければ大丈夫です」
と目の前にいる三蔵を見て
「それにまた足手纏いだとか言われそうだし」
とも笑った。
兄さんを、三蔵を探さなくなったのはいつからか、気にもしなくなったのもいつからかもう忘れてしまいそう。
あれほど会いたくて仕方なかった存在だったのに、会えない間に色んな事が起きて、次に大事なものが今大事なものになっていって、
妖怪の変異もある昨今に、戦える人員が減るのはまずいし、三蔵達には自分なんて居なくてもなんてことない。生きていればまた会えるし、平和になれば蒼に乗って会いに行けるだろう。
「お互い死んでられませんね」
と笑えば
「ラスボス前に三蔵にやられてそーだけどなー」
と苦笑する悟浄、確かにと心配する悟空に、
「ラスボスより三蔵の方が強いですもんね」
と笑う八戒。そーね。と煙草をふかす悟浄に三蔵の普段の振る舞い具合に笑えてしまう。