第5章 未来
だけど私はこんな事しても心の隙間は埋まらなかった。
ルカに会いたい。
そう思うと涙が勝手に出てきた。
「何泣いてんだ」
棗のぶっきらぼうの声に私は首を横に振る。
大丈夫何も無いよって意味を込めて。
しばらく教会で棗と座ってたら
「棗ここにおるん知っとるんよ?」
蜜柑が入ってきた。
咄嗟に私はヤバいって感じて、身を隠そうとしたけど
大丈夫って顔で棗が見てきたから私はその場にいる事にした。
近寄ってくる蜜柑。
「あ、噂の紫苑やん、なんで棗とおるん?」
噂?私なにか噂させることしたっけ?
そう思いながら何も言わずただ座ってた。
「こいつ吸血鬼やろ血あげてた」
まぁ、間違ってはない。
さっき血を貰った。学園に来て楽な事は一般人を襲わなくて済むことだった。
逃げ回ってた時は一般人を夜中に襲って生きる為に頑張ってた
でもそれはルカに会いたい為とルカとの約束。
もうルカに忘れられたからそんな約束なんて守らなくてもいいのに…
思い出したら少し寂しくなった。
「なんで棗なん?」
あ、1年前もこんな事言われてた気がするな。
そう思いながら
「別に関わらないからこれからも今も」
私は一言そう言うと立ち上がりその場を去った。