第5章 未来

「棗、棗って私の気持ち考えてよ！！」

私は遂に蜜柑達の元に顔を出した。
睨む蜜柑とびっくりした顔で見る委員長と蛍。
そしてルカ

「紫苑もしかして俺の話…」

「全部聞いてたよ、私もルカとずっと居たい」

私の言葉に赤面するルカ。
そして余計に怒る蜜柑。

「ルカぴょん好きならなんで棗とキスするん？」

目の前が真っ暗になった。
見られてた？いやあの時誰も居なかった筈。
まさか棗にカメラでも仕掛けられてたのかな…
そうぼんやり考えてるとルカからの嘘だろ？って目線。
私は頭を横に振る。

「また俺棗に取られたちゃった」

そうやって寂しそうな声で呟くルカ。

「ちが！！棗が勝手に！！！」

「拒否しやんかったくせに何言うとるん？
ルカぴょん裏切ってウチも裏切って紫苑は楽しそうやな！？
ウチ等の平和返してや！！」

その言葉に私は居ても経ってもいられなくなりその場から逃げた。
ひたすら逃げたむしろ学園から逃げた。
空を飛んで、遠くの方へ。
誰にも見つからない場所でゆっくりまた生きよう。
そう思った。
そしたら誰も悲しまないから…。
あれから1年私は高校一年生になった。
誰にも見つからない学園にも見つからない。
そんな日々を過ごしてた。その時

「やっと見つけた吸血鬼」

ペルソナが迎えに来た。

「あの日皆の記憶を無くした
君にはまだまだ仕事をして欲しい」

そう言うから私は頷いた。