第2章 再会
結局、08号に情報収集しろと言われてしまい、庁内を歩き回っていた。
そこで、一通り話を聞き終えたところで、今度は「マリッチのことが気になる。」と、マリッチを探すことになる。
「ほんと…人使い荒いんだから…。」
キュルルも、リウ老師も…。
「失礼しま…。」
「か~っ!このポンコツ!」
先程の移動の際、魔物により負傷したのか、マリッチを修理しようとしていた。
だが、思い通り行かないようだ。
ウルタ皇女の様子にあとずさってしまう。
その足音が聞こえたのか、彼女はこちらを向いた。
「なんじゃ、来ておったのか。」
「ごめん、08号がマリッチ心配だったみたいでさ。」
私がそう言うと、08号が前に行き、ウルタ皇女に訴えた。
「マリッチのメンテナンスの許可を求めます。ワタシニオマカセクダサレバ…。」
「………ふっ、見くびるな。私はまだ本気を出していない。見ておれ。」
誰かにやらせるのは嫌なのだろう。
ウルタ皇女とはそういう人だ。
ガチャガチャ修理しようとしているのを眺めていると、08号は興味深げにそれを眺めていた。
マリッチの後ろのコア部分が顕になると、また首をかしげた。
「コレは……?」
「うむ。外装こそ新しいが、素体は古い。父上に使えた初期型魔神器そのものだ。」
お父さんに従えた…。
それなら結構大事なものじゃないのか…。
さっきポンコツって…。
「形見……なのね、ジャ・クバさんの。」
「ふん、形見などと…。歴史を改変すれば父上はわらわの元に帰ってくる。……はよ会いたいのう。」
時渡りの術……。
本当に成功してしまえば、いくらでも時を戻せてしまう。
……でも、エテーネ王国が蘇るのなら…。
それなら、私も協力したいと、心から願った。