第2章 旅医者の女
正直、七武海への勧誘はくるかもしれないと思っていた。
七武海に加入すれば政府にコキ使われるだけでなく、赤髪海賊団、白髭海賊団に会いに行きにくくなる。
だからって断れば、こっちの会社が危険になることも考えていた。
そんな制度があるなら正直助かる。
でも、その協定に登録しても、結局は政府に協力させられることはあるかもしれないとも思った。
「どのみち七武海の勧誘通知がきたら、海軍本部に赴かなければならない。その時七武海の者も召集されるだろう。
その会議の時に七武海に加入するか、協定に登録するかが選べるはずだ。時がきたら元帥に聞いてみるといい。」
「わかったわ。まだ事も起きていないのに考えるのは野暮ね。そういうことがあった時、改めて考えるわ。」
彼らが会った父様が"冥王レイリー"ということは知らない。
おそらく、コーティング屋として四皇にも馴染みがあると思っているんだろうとおもう。
政府はどこまで私の身元を調べてくるだろうか?
兄上が海に出た時と同様と安堵していいものか?
兄上のことは、赤髪と白髭によって育てられたと報道に出ている。私もその兄上の実妹として報道されるのが本望だ。
おそらく、万が一に父様の身元がわかって捕らえようものなら白髭海賊団も赤髪海賊団も敵に回すことに成り得るかもしれない。
そんなリスクを侵してまで、それを決行するだろうか?
いろいろ精査したら、今のところは安心していいと結論付いて、"時"に任せることにした。