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使命と約束[ONE PIECE]

第1章 幼い士族が抱く使命ー序章ー



「モモの助様だけに伝えたい議がございます。」

桜はモモの助様の耳元で手で口元を隠して言伝てた。


「義孝、ユリ、雪は、海外の大海原で大人になってモモの助様を探しております。
見かけましたら、モモの助様の戦力として御使いくださいまし。」


モモの助様は驚いた様子で桜を見た。

「死んだのではないのか!!?」

桜に合わせて小声でお話になった。

「モモの助様が行かれる時のために、ワノ国のためにございまする。」

「相解った。」


桜は役目を果たし満足な面持ちで、おトキ様に向き直った。

未来へ行くものは光の前に並び奉り、光は一層強くなってモモの助様達を包んだ。

「モモの助を......頼みました。」

おトキ様の能力が発動し、彼らは目の前から姿を消した。










モモの助様一行が未来へ旅立たれた今、防護の間にも火が回り地下も焼け落ちようとしていた。

「光月家が軍師、紅條義久の妻、桜が最期に命ず!

20年後の未来にモモの助様並びに、赤鞘九人男達が指揮を執るとき、共に戦う意思のあるものは、
今ここにおる者も
外で生き残った者達も
左足首に月の印を彫るのじゃ!

モモの助様達と会えばその事を伝え人を集めよ!」

「ははっ!!」


「20年だ!

どんな屈辱が起こっても生き延びて、充分な戦力を揃え、
おでん様が愛した国を、民を取り戻して欲しい。

我らの新しくも幼き君主、モモの助様と共に!」


「おぉぉぉぉ!!」

と、最期の雄叫びと共に、崩れ行く城から外に出ようとするものが飛び出していく。


他の家臣に混じっていた黒い忍び装束を纏った少年が、桜の元へ来た。
「伊造。日和様を外へ。決して正体がバレぬようよろしく頼みます。

そして協力者を見つけたら、そなたも海へ出て、あの子達に全てを伝えるのです。」

「ははっ!必ずや!」


日和様は伊造に抱えられるも、嫌でございますと泣き叫びながら連れていかれた。




全ての家臣達が出払って、

防護の間はおトキ様と、桜の二人きり。


すでに火の手は二人の回りまで迫ってきていた。


「桜。そなたとは、この時代に訪れてから、おでん様の次に心許せる者でした。

そして、また、共に愛した者を亡くし、そしてその者達の元へ参るのですね。」

「おトキ様.....。」




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