第4章 力を持つ者の使命と宿命
それから新世界支部に1週間くらい滞在した。
あの後エデルからもミゼルに頼んでくれたらしくワノ国の情報を定期的に送ってくれることになった。
もちろん、得た情報は万全の注意を払って手渡しでということ。
そして、ルカさんとも仲良くなってなぜか恋愛系の講義を受けさせられ、
ミゼルは相変わらずすれ違い様によく睨まれた。
でも、他の船員とは打ち解けてみんなの船旅の話をいっぱい教えてくれ、わたしの事もいろいろ聞いてくれたの。
滞在中はボルさんから2回ほど連絡があってどうやら基本は総本部を跨いでグランドラインの前半と新世界を行き来することになると教えて貰った。
そして再びボルさんからの連絡が来たのは次の場所。
今度は前半の海らしい。
「何かあっという間だったわね。気を付けていってらっしゃい。」
そうルカさんに名残惜しい言葉をかけられ、
「また来たときにたくさんお話ししましょう。」
そう言い残して咲の背で空へ旅だった。
「なぁ、兄さん。あの女のことどう思っている。」
過ぎ去るユリの姿を見送りながらミゼルが問うた。
「不思議な女だ。」
「何がだよ。どういう意味だ。」
不服そうに片方の眉尻を上げて問い詰める。
「さぁな。ミゼルが毛嫌いするような人間ではないことは言っておく。」
そう言って医務室に向かうエデルの姿はどこか晴れやかだった。