第1章 ハニー・ヌードショー
ビーーーーー。
けたたましい上演の開始音が響く。
沈黙していた暗幕が静かに動き出し、恐ろしい光景が目の前に広がっていく。
暗い客席には仮面を被った何人もの人達が座っていて、全裸の彼女にはスポットライトが当てられた。
そして、まるで今から映画でも始まるかのような拍手が広がる。
「いやっ…みないで…」
そう呟く彼女の声が舞台に響いた。思わず唖然とする彼女の後ろからスタンドマイクが顔を出した。
彼女の声をこのマイクで拾っているということだろう。スタンドマイクを握る男はニヤニヤと嫌な笑みを浮かべている。
しかし、彼女にとってマイクのことなどすぐにどうでもよくなった。
別の男が彼女の真後ろに移動してきたかと思うと、両膝に1本ずつ真っ赤な縄を巻き付けてきたのだ。
「いやっなにっ!?」