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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第81章 物狂い※




「っんん、んぅ・・・ッ!」

吐き出したくても吐き出せない。

顎を上げられ、上から塞ぐように蓋をされているせいもあるが、単純に抵抗できる力が無い。

・・・その蓋が男の口によってされている事は分かっているのに。

得体の知れない液体を胃に流し混んでしまったことを確認すると、男はゆっくりと唇を離した。

「あの時、君が最後に貰った薬はこの液体を気化させたものだ。実際はあの筒で気化させているんだけどね」

さっきまで気にしていた事も、段々とどうでもよくなってきている。

今はこの熱くどうしようもない体をどうにかしたくて、たまらない。

「この薬は男女関係無くよく効くから、とても好評でね。普通の快楽じゃ満足できない男女が挙って買いに来る」

一体、幾つの薬を使われているのか。
きっと、売買しているのはこんな薬だけではないはず。

「・・・・・・っ」

・・・そうか。
だからストーカー男の時に、公安が乗り込んで来たのか。

あの時、この男が絡んでいた事を、零は既に気付いていたんだ。

そんなこと、私が今更気付いても仕方が無いけど。

「ああ、因みに。最初の部屋の薬と、この部屋の薬、元は同じだが、ある効果を足すとこの香りになるんだよ。・・・何の効果かは、言わなくても分かるだろうけど」

相変わらず、嫌でも声だけはよく聞こえる。
ただ、さっきまでボヤけていた視界も、何となくだが徐々に見え始めていて。

床に転がった試験官のような物に気付くと、先程飲まされた薬はアレに入っていたのだと察した。

・・・そして、自分が座り込んでいたことも、既に両手の自由が無いことも。

「・・・ッ・・・!!」

その瞬間、張り裂けそうなくらいに心臓が大きく脈を打った。

一気に血が巡り、熱かった体が更に熱くなって。

「短期間で何度も使うと効きが悪くなる奴もいるが・・・君はそうでもないようだね」

言いながら男の手が、私の太腿をゆっくり這って。

「・・・っい、や・・・!」

後ろ手に固定されている手はビクともしない。

そもそも、動かせているのかも分からない。

でもこれだけは言える。

体は何かを必死に求めているが、目の前の男は求めていないと。




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