• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第81章 物狂い※




「早速だけど、始めようか」

そう言うと男は掴んでいた手首を無理矢理引き上げ、吊られるように立たされると、そのまま部屋の更に奥へと連れ込んだ。

抵抗しているのは気持ちだけ。
抵抗力を無くしている体は、引かれる方へと簡単についていく。

掴まれている腕を振りほどくこともできないまま、乱暴に壁へ投げるように叩き付けられた。

「八回」
「・・・?」

壁に寄り掛かりながら何とか踏ん張ってみるものの、体はゆっくりと地面に落ちていく。

そんな中、男は突然何かの回数を告げた。

「その内、分かるよ」

男がそう言った瞬間、目の前が急に発光したように白くなり、天地も左右も分からなくなって。

自分が立っているのかも倒れているのかも分からない。

「大丈夫かい、子猫ちゃん」

心配している様子なんて微塵も無い。
感じるのは、楽しんでいる様子だけ。

でもその姿を、上手く捉えることが出来ない。
視界は白く霧がかかったように、見るものを遮っていた。

「・・・・・・ッ」

熱い。
体が熱く、全身が溶けるようで。

そしてそれは次第に疼きへと変わっていった。

「・・・っ、ぁ・・・!」

息が苦しくて、上手く呼吸ができない。
視界は不明瞭なのに、感覚だけは妙に鋭くて。

手首に何かが触れた。
その瞬間、体が感じるように声が小さく漏れた。

「やはり早いな。良い効きだ」

・・・似たような感覚を覚えている。
でもあの時とは、確実に違うものがあった。

「・・・や・・・っ、嫌・・・!!」

不安に似た、恐怖が強い。

男の言う事が本当なのであれば、一度目の時はただ零に快楽だけを求めていた。

それは、目の前にいたのが彼だったから・・・だろうか。

「そういえば君はあの時、追加で薬を貰ったようだね。あの形は即効性があるのが良い点だが、あまり実用的ではないのが俺は嫌いだ」

そう言葉が聞こえた後、甲高いガラス同士が小さくカラカラとぶつかる様な音がして。

その直後、何かが唇に触れ、途端に口内へ液体が流し込まれた。




/ 1936ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp