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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第78章 監視下




「でも結局、バレてたんだね・・・」

というより、悟っていたと言うべきか。

「どうして聞いてこなかったの・・・?」

そこまで知っていたなら。
言わせるように仕向けていたのなら。

あの時言いかけたにも関わらず、彼は一度それを阻止した。

「僕に関わらず、周りに頼る事を極端に避けているからだ」

・・・私が?

「ひなたは一度言うことを止めさせると、再度言う時には更に覚悟を必要とするだろう」

まあ、それは・・・否めない。

「ひなたが自分の口から言おうと決めて言わせないと、次似たような事があっても言わないだろ」

やっぱり、彼は私から言うのをずっと待っていたんだ。

・・・沖矢さんの言いたかったことも、これと同じことなんだろうか。


『頼る事は、信頼を形にするものだ。悪い事では無い』


「・・・・・・」

そういえば、赤井さんにも頼ることについて言われていた。

なのに私は・・・一つも学習していなかったんだ。

「・・・ごめんなさい」
「謝らなくて良い。ひなたが頑固なのは百も承知だからな」

そう言った後、徐ろに彼の手が顔のすぐ側の壁につかれて。

「・・・ば・・・のは、僕の方だ」
「え・・・?」

小さな消え入りそうな声で、何かを言ったということしか聞き取れなかったが、確実に彼は何かを言った。

それに対して小首を傾げるが、彼は小さく笑みを浮かべて目を閉じた。

「何でもない」

言い終わるや否や、その唇はゆっくり触れ合って。

お互い背を向けて転がっていた時間を埋めるように、長い時間、何度も舌を絡め合わせた。


ーーー


あれから一ヶ月程経った。

零は変わらず、より一層忙しそうに公安や組織の人間として動きつつポアロにも顔を出していて。

足の怪我が良くなってきた頃、私もポアロへの出勤を許可されることとなった。



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