第76章 聞いて※
「零・・・っ」
もう、嫌だと。
震え始めた体を両腕で抑え込みながら、再度訴えた。
その時にやっと、彼の動きは一度収まりを見せて。
「バーボンの時は、これじゃ許さないからな」
・・・どういう、ことだろう。
バーボンの時に怒らせると、こんな物では済まないということなのか。
それとも、バーボンには訴えなんて効かないという意味なんだろうか。
・・・いや、今はそんなことどっちだって良い。
恐らくどちらもだろうし。
とりあえず、さっきの柔らかな触れ合わせは所謂、お仕置・・・というものになるのだろう。
彼以外の事を考えてしまった事への。
・・・ただ、これを抜きにしても・・・やはり今日の彼はどこかおかしい気がする。
いつもより嫉妬深いような、それでいてどこか寂しげな。
その理由は、分からないまま。
「んんっ、ぁ・・・!」
知らぬ間に広げられていた足を、また指が這って。
ゆっくり秘部へと目指していく。
そこへ指が触れたと思った瞬間には、もうナカに彼の長い指が埋められていた。
音と彼の指の入り具合で、嫌でも秘部から蜜を溢れさせているのが分かる。
「い、ぁ・・・零・・・まっ、て・・・!」
「さっきまで、急かす様な顔をしていたのにか?」
言われた通りではあるけど。
急に指を増やされれば、咄嗟に静止を求める言葉が無意識に出てしまうもので。
「ん、あ・・・ひぁ・・・っ!」
弱い部分を集中的に責められて。
あっという間に絶頂が近づいて。
「・・・ひなた」
「・・・ン、ぅ・・・ぁあ・・・ッ」
口に手の甲で蓋をして声を抑えるが、震えて殆ど意味は成さなかった。
耳元で彼に名前を呼ばれれば、それは尚更の事で。
「れ、ぃ・・・っ、零・・・!!」
指の動きが激しくなれば、それに比例してグチュグチュと卑猥な音も響きを強くする。
そして彼が一際奥を突けば、呆気なく。
「や、あぁぁああ・・・ッ!!!」
彼の手によって溺れてしまう。