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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第74章 そして※




「・・・すまない、迷惑をかけてしまったな」
「かけられたのは迷惑じゃなくて心配だよ。少しはちゃんと休んで」

そうお願いしてみるが、すぐに彼がそれに対して返事をすることは無く、ゆっくり足にも腕を回すと、床に転がる私の体を軽々と浮かせてみせた。

「大丈夫だ、今日は何も無い」

浮かせた私の体をベッドに下ろすと、零は優しく頭を撫でながらそう言った。

今日は、か。
その言葉は安心できるような、し切れないような、複雑になる返答だった。

「・・・昨日、何かあった?」

彼があんな風になるなんて、そうに違いない。

本当は聞くかどうかを迷ったが、彼が話してくれなければそれで、話してくれれば受け入れようと考えた末の質問だった。

「・・・ひなたにも話さなくてはいけないことがある。けど今は、体を万全にすることだ」

私はそんな事より、その話さなくてはいけない事の方が気になる。
それに、体を万全にするのは零も、だ。

そう言いたい気持ちを抑える中、彼はしていた手袋を外すと、私の服を所々捲りあげながら肌や体の様子を確認していった。

「この腕の痣・・・どうした?」
「・・・覚えてないの?」

私の腕を取りながら尋ねてくるのに対し、驚いて目を丸くした。

彼と床に転がる寸前、意識はハッキリしていたように思うが。

「まさか・・・僕か?」

・・・どう答えるべきだろう。

本当はきちんと昨日のことを含めて話をしておきたい。
けれど、今彼から話す気は無いのだろうから。

「・・・その話は、零が昨日の話をしてくれたら、ね」
「随分ズルい取引をするんだな」
「何もズルくないよ。零が教えてくれれば私も教えるだけなんだから」

寧ろズルいのは零の方だ。

そういう目付きをすれば、彼は何も言えないと言うように目を伏せて困った笑顔をすると、小さくため息をついた。




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