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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第72章 悪夢を




「何、今の・・・」

同時に辺りには瓦礫が落ちてきて、事が起こったのは上の方だということだけは分かった。

だが、反対に言えばそれ以上は何も分からなくて。

プロペラの回転音が聞こえるということは、赤井さんやコナンくんの言っていたように、組織の人間が空から接近を図ってきたということで。

「・・・ッ!?」

零は爆弾を、私は上の様子を見ていた時、二度目の衝撃はまたしても突然訪れた。

さっきよりも大きな揺れと、何かが落ちてくるような衝撃音。

恐怖で声も出なくて、ただ隣にいる彼にしがみつく事しかできなかった。

「・・・収まったか」

暫くして、私を包み込むように体を抱き寄せていた彼が、そう呟いたと同時に目を開けて。

辺りには細かな鉄クズが散らばり、少し明るくなったように思えた。

何故だか理由は定かでは無いが、これならどうだろうか、と零に視線を向けた。
それが混じり合った瞬間、彼は頷いて爆弾へと再び向き合って。

「これなら・・・よし、配線も雷管も判別できる」

その言葉に、絶望が消えて希望が見えた。
組織の動きがあったということは、本当に時間が無い。

増えるのは希望と同時に、焦りもそれ以上に増えていった。

「集中しろ・・・焦らず慎重に・・・、そして急げ・・・ッ!」

自分へ言い聞かせるように零はそう呟くと、工具を手に作業を再開した。

私は少しでも彼に届く光を邪魔しないよう、近付けていた体を少し離し、彼の後ろ側で作業を見守った。

ランプが光ればアウト・・・。
その言葉を胸に、無事に終わることだけを祈るしかできなかった。

「あと少しだ・・・」

零の顔には汗が流れていて。
それを見れば、私も同じように汗が滲むようだった。

「あとは雷管に繋がる二つのコードを・・・っ」

そう言ってペンチで一本のコードを切って。

ようやくこれで終わる。
彼がコードを切る時、緊張の糸も同時に切れるようで。

「よし、これを切れば終わり・・・!」

零が言ったと同時に、最後の一本を切った瞬間だった。

光ってはいけないと言われていたランプが突然赤く光り、ピーッという嫌な高音が周りに響いた。


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