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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第72章 悪夢を




「・・・そうだ、あの時・・・」

あの時、彼に言われたんだ。

・・・沖矢さん、に。

「・・・・・・!」

それを思い出した矢先、何処からか物音と共に、誰かが大きな声で何かを叫んだ声が響いてきて。

恐らく警備員だろう。
ここに入ってしまった誰かを、制止させるような言葉が聞こえた気がしたが。

暫くその足音は続き、それが収まるまでは必死に気配を殺した。
数分も経てば足音は止み、警備員の声もしなくなって。

何とか見つからずに済んだと小さくため息を漏らした瞬間、再び誰かの気配を強く感じた。

背後から・・・誰かが近付いてくる。
もしかすると、組織の人間かもしれない。

様子を見れば、きっと相手からもバレてしまう。
けれど、このまま此処にいてもバレてしまう。

どうしたら良いのか分からず、今は必死に息も、気配も押し殺すことしかできなかった。

「・・・・・・っ」

ゆっくり近付く足音に、冷や汗が流れて。

もうダメだと覚悟を決め、瞼を固く閉じてはその時を待った。

すぐ側で足音が止まり、覚悟を決めた・・・時だった。

「・・・如月さん?」
「コナン・・・くん・・・」

聞き覚えのある声が、瞼を軽くさせて。
それを開けば目の前には驚いた様子の彼がいた。

「何してるの?こんな所で・・・」
「あ・・・えっと・・・」

迷子、なんて言葉は通用しないし。
赤井さんの事も言えないし。

相変わらず彼は答えにくい質問ばかりしてくる。

「・・・ここは危険だよ、早く逃げて」
「それはこっちの台詞だよ・・・」

答えは聞かず、そう忠告する彼の言葉に思わず、心の声が漏れるように出てきて。

見た目は小学生、中身は高校生、私にとってはいずれも子どもだ。
勿論、私よりも頭脳面では優れているだろうが・・・危険かどうかで言えば、それは誰だって関係ない。

「奴ら、ここに爆弾を仕掛けて行ったんだ」
「ば、爆弾・・・!?」

彼の言葉には少なからず焦りも感じられて。
元々疑っている訳ではないが、その様子から嘘で無いことが同時に確信できた。



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