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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第71章 純黒の




「我々にノックの疑いがかかっているようですね?」
「!!」

廃倉庫の中でライトが着く瞬間、そう言った零の言葉と、支柱に繋がれている彼の姿が見えた。

ただ、その姿になっているのは彼一人だけでは無いようで。

同じ支柱に拘束されているのは、恐らく水無怜奈・・・つまり、キールだ。

それを確認した瞬間、今まで感じたなかった殺気のようなものが、電気のように全身を走り抜けていって。


「キュラソーが伝えてきたノックリストに、お前達の名前もあったそうだ」


「・・・ッ・・・」

続けて聞こえてきた声に、背筋が凍りついた。

・・・ジン、だ。

ライトの逆光で姿はぼんやりとしか確認できないが・・・声だけで、その恐ろしさが伝わってくる。

ピリついた空気が刺すように流れ、呼吸が上手くいかない。
体どころか、指を僅かに動かす事もできなくなって。

以前、あの男の車にあんな物を仕込んだなんて・・・今考えると過去の自分の危なっかしさに、我ながら溜め息が出る。

「キュラソー、か」
「あの、情報収集のスペシャリストの事かしら」
「知っているようね」

零・・・いや、今はバーボンか。

彼の言葉にキールが付け加えるように話すと、ジンが居る場所とは違う方向からベルモットの声も聞こえてきて。

唯ならぬ空気が、離れたこの場所でも伝わってくる。
やはり彼ら組織の人間は・・・普通じゃない。

「昔の好だ。素直に吐けば、苦しまずに逝かせてやるよ」

また別の方向から、今度はウォッカと呼ばれていた男の声が聞こえてきた。

ジン程の恐ろしさを感じる人物では無いものの、あの時の声は・・・忘れもしない。

「ふっ、僕達を暗殺せず拉致したのは、そのキュラソーとやらの情報が完璧では無かったから。・・・違いますか?」

バーボンは、笑い飛ばすように僅かに息を鼻から漏らせば、彼らにとって図星であろう事を単刀直入に言ってみせた。


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