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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第71章 純黒の




「ど、どうしたんじゃ?突然・・・」

驚いた博士がこちらを見ては目を丸くして。

「解析ができたので・・・コナンくんに報告を、お願い・・・します・・・っ」
「え、あ・・・如月くん!」

肩で息をしながら切れ切れにそれだけ伝えると、忙しなくそこを後にして、そのまま阿笠邸を飛び出した。

向かったのはすぐ隣、工藤邸で。
その家のインターホンを乱雑に複数回鳴らすと、そこに向かって大きく叫んだ。

「沖矢さん・・・っ、助けてください・・・!!」

都合が良いとは思ってる。
けど、今コナンくん以外に頼れるのは彼しかいなくて。

コナンくんが頼りない訳では無いが、子どもの体でこれ以上無理をさせる訳にも、危険に晒す訳にはいかない。
・・・もう十分させてしまっているのだろうけど。

「・・・・・・ッ」

彼なら、零がどうなっているのか知っている気がしたのに。
そこから返事が返ってくることはなく、念の為電話も掛けてみるが、それにも繋がらなくて。

再び全身の力が抜けてその場に崩れ落ちた。

・・・零に、会いたい。
無事なのかどうかだけでも・・・知りたい。

そう考えながら、無意識に零へと電話を掛けていた。

出ないと・・・分かっていたのに。

「・・・零・・・っ」

泣いてる場合じゃないが、涙が溢れて止まらない。
その止め方も、分からなくて。

案の定、電話は繋がらないまま耳から落ちるように離された。

もう、どうしたら良いのか分からない。
そう思いながら、縋るようにもう一度電話を掛けていて。

ただ、今度は零ではなく・・・。

「・・・!!」

掛けたスマホからコール音が聞こえた直後、背後で別のスマホの着信音が響いた。

慌てて振り返ると、そこには電話を掛けた相手が私を見下ろすように立っていた。

「俺に、用か」

煙草の煙を纏いながら私にそう話し掛けてきて。

「赤井・・・さ・・・っ」

その姿を確認した瞬間、また涙がドッと溢れてきた。

何故彼を選んだのか分からない。
けれど、彼なら何とかしてくれると思ったのかもしれない。

不本意でも、都合が良いと言われても、今は・・・彼を頼りたいと思った。



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