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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第71章 純黒の




「・・・・・・」

いつも私に危険だと諭していたのに。
零の方が余程、危険な立場じゃないか。

なのに、それを知らせてもくれない。

心配をかけたくないから、なんて理由は分かっているが、そんなの理由になんてならない。

不安や心配よりも、怒りの方が勝ってくるようで。

「・・・私、戻ります」

とにかく今は、あのスマホの解析を急ぐのが最善だろう。
それに、今の私にできる事はそれしか無い。

「ひなたさん」

車を降りかけた私を、ジョディさんが呼び止めた。
それに応えるように視線を向けると、彼女は言葉を続けた。

「まだ、どこまで漏れたか分からないわ。・・・あまり、考え込んじゃダメよ」
「・・・大丈夫です」

これで、答えになっているのかなんて分からなかった。
でもそれ以外に言葉も見つからなかった。

FBIの人達がいる車をから降りると、すぐにタクシーを捕まえて阿笠邸へと急いで。

その最中、昨日から何度も確認しているスマホを今一度確認するが、やはり連絡は一件も入っていなかった。

「・・・・・・」

どうしよう。
もし、彼がスパイだとバレていたら。

もう・・・この世に居なかったら。

「・・・・・・ッ」

そんなこと考えても仕方がないのに・・・無駄だと分かっているのに。
嫌な想像ばかりが膨らんでしまう。

・・・でも、そうだとしても、あのスマホを解析する手を止める訳にはいかない。
新たな犠牲者が出てしまう前に、何とかしないと。

震える手を必死に握り抑え込み、改めて決意を固めた。

ーーー

「すみません、博士。今戻りました」
「おお、如月くんか。ここまでは進んでおるぞ」

阿笠邸に戻ると早速作業室へと向かい、解析の進捗を確認した。

あれからかなり作業は進んでいるようで、何かが分かるまではあと一歩というところだった。

「ここからは私が進めますので、博士は休んでてください」
「すまないの、何かあれば遠慮なく呼んでくれ」
「ありがとうございます」

そう言って博士は部屋を後にし、私は続きの復旧作業へと取り掛かった。



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