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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第70章 巡遭い




「それで・・・話って?」
「聞きたい事は分かってるんでしょ?」

コナンくんの質問に質問で返せば、彼は表情を変えないまま、視線だけを一瞬こちらに向けて。

「今日呼んだ理由?」
「まあ、それもあるんだけど」

本当は他にも聞きたい事は山程ある。
けど、彼から提示しない事の方が重要度が高い気はして。

敢えてそういう事を自分から話したりは、しない性格だろうから。

「・・・アイツらが呼んだって言うのは半分嘘。僕がどうかって提案したんだ」
「どうして?」

今、彼はコナンくんになりきっているのだろうか。
少なくとも、工藤新一そのものでは無いだろう。

それはもう彼に染み付いてしまっているものなのか、それとも無意識に演じているものなのか。

「如月さん、最近楽しそうに笑ってなかったから。少しでも気分転換になればと思って」

予想の斜め上を行く返答に、大きく目を開け彼を見た。

まさか彼に、そんな風に思われていたなんて。

「・・・そうかな?」
「少なくとも、僕にはそう見えたよ」

彼の観察眼は桁違いで鋭い。
一緒に居ると、少しの油断も与えられないような空気になる事も、しばしばある。

それは彼の大きな武器とも言えるのだろうが。

「割と楽しくやってる方だと思うけど?」
「それなら良いんだけど。たまには安室さんだけじゃなくて、僕達も頼ってね」

僕達・・・か。
そこに含まれているのは、FBIの人達なのか、はたまた沖矢さんの事なのか・・・。

「ありがとう。他にも私の聞きたい事、分かってるんでしょ?」

挑発的に問いながら、前方に向けていた視線を再度彼に移して。
それに乗るような簡単な人物で無いことは、重々承知しているが。

「・・・言っておくけど、公安で何が起きているかとか、FBIの情報とかが随時僕に流れてきてる訳じゃ無いからね?」

やっぱり、私の言いたい事は全部お見通しという事で。
回りくどいことはできないようだ。

まあ、彼ならそれも不思議なことでは無い。


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