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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第65章 不行跡




ーーー

数日後の週末。
行くかどうか迷っている間に、その日は来てしまって。

一応、自分でも波土禄道を調べたり、曲を聞いてみたりはしたものの。

結局どうするべきか、分からない。
沖矢さんがいなければ何の問題も無いのだけど。

・・・いや、今回は蘭さん達について行くだけだ。
向こうで沖矢さんと、なるべく会話をしなければ問題も無いはず。

そう言い聞かせながら、ため息を何度も吐きつつ準備をしていると、突然玄関の扉をノックする音が聞こえて。

「すみません、宅配便です」
「あ、はい・・・!」

思わず返事をしてしまったものの、それに心当たりは無かった。

ただ、零が何か頼んだか送ったということもある。
そう思い、衣服を整えると慌てて玄関の扉を開けた。

「こんにちは」
「・・・っ!」

その瞬間、視界に飛び込んできたのは何故か沖矢さんで。

「不用心に開けてはいけませんよ」

どの口が言っているのか。

心臓がドクン、と音を立てた後、体が反射的に扉を閉めようとした。

「おっと」

彼の足にそれを妨げられ、締めかけた扉は再びゆっくりと開かれてしまった。

「お迎えに上がりました」
「頼んでません・・・っ」
「赤井秀一に頼まれた、と言えば納得されますか?」

意地でも追い返そうと彼を強く押すが、その体はビクともしなくて。

それどころか、彼の言い分によってその手の力は緩められてしまった。

「・・・どうして赤井さんが出てくるんですか」
「彼には貴女を守る、義務があるようですから」

確かにそんな事も言っていたけれど。
・・・それは私の母が頼んだ事であって、私が頼んだ訳では無い。

正直、今の私にとってそれは。

「気持ちはありがたいですけど、もう結構です・・・っ」

そもそも、赤井さんでは無く沖矢さんが動いている時点でそれは良いとされるものなのか。

そう思いつつ、何とか彼を玄関から離し、勢い良く扉を閉めた。

・・・出る時間は迫っているのに。

時計を確認しながら閉めた玄関に目を向け、出発時間にはそこから彼が居なくなっている事だけを、ただひたすら祈った。


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