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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第65章 不行跡




「少しぐらいならお話できるかもね」
「ホ、ホント!?」

蘭さんの言葉に喜ぶコナンくんを見て、更に気になってしまって。

・・・零は暫く帰らない。
それに、彼も波土禄道については調べているようだった。

帰れない理由はそこにあるのだろう。
それなら、私も。

「あの、私も行くことって・・・可能ですか?」
「え?良いですけど・・・ひなたさんって波土禄道のファンだったんですか?」

そう、か。
ファンでも無いのに聞きに行くのは迷惑だろうか。

少しでも何か情報を得て、零の力になれたら・・・と思ったのだが。

「あ・・・すみません、特に詳しくは無いんですが、ちょっと興味があって・・・お邪魔でしょうか・・・?」
「そんな事ないですよ!一緒に行きましょう!」

そう言ってもらえるならありがたい。
軽く頭を下げながらお礼を口にして、早々と掃除に戻ろうとした、その時だった。

「よろしければ、そのリハーサル・・・私も見学してよろしいでしょうか?」

耳を疑うような言葉が、脳内に響いて。

「え?昴さんも?」
「波土禄道の大ファンなので」

思わず沖矢さんの方に振り返った。

そんな事、聞いたこともない。
そもそも、彼が音楽を聞いているところも見たことがない。

園子さんは喜んでいるようだが、私の気分はこの上なく優れなくて。

「・・・沖矢さんって、音楽に興味あるんですね」
「ええ、人並み程度には」

疑いの眼差しを向けながら敵意剥き出しで言葉を掛けるが、相変わらずの笑顔で返されて。

私の眉間の皺が深くなるほど、彼の笑みも深くなっていった。

「そういえば、ネットにそのタイトルが発表されたのはいつ頃ですか?」
「つい先週だけど・・・」
「五年振りの新曲だから、ネットのニュースになってて」

沖矢さんが彼女達からの返答をもらうと、一瞬妙な空気を纏った気がした。

同時に視線に入ったコナンくんもまた、似たような空気を出していて。

今の彼は江戸川コナンというより・・・どちらかというと、工藤新一の方が近いように感じた。



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