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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第65章 不行跡




・・・いや、それより。
蘭さんが来るのは今日だと言っていた。

つまり、掃除に来いと言うのは。

「今日ですか?」
『ええ、今日です。ご都合悪いですか?』

悪い、というか。
今しがた零と別れたばかりで、そんな気分にはなれない。

そもそも、行けば零が何て言うか。

『まあ、掃除というのは口実で、少し話もしたいんですよ』

・・・彼の話というのは、ろくな事が無い。
確かに有益だったこともあるけれど。

それ以上に今回はリスクが、大き過ぎる。

「話なら今してください」
『預かっているものも、ありますから』

私の主張に、すかさず言葉を挟んできて。

何がなんでも、この人はあの家に私を引きずり出そうとしているのか。

だとしても、行く気は無かった。

この一言が無ければ。


『赤井秀一からの、預かり物を』


ーーー


「・・・・・・はぁ・・・」

結局、来てしまった。
来たくなかったのに。

勿論、零には黙って。
それが余計に罪悪感を強めた。

今日は蘭さんがいるようだし、二人きりではない。
それを言い訳にするつもりは無いが、それが行くきっかけの一つにもなっていて。

掃除をして、受け取るものを受け取って帰れば良い。
話も、手短に済ませられないのならば放っておこう。

そう思って呼び鈴に手を伸ばしかけた時だった。

「あれ、ひなたさん?」
「蘭さん!」

声を掛けられた方に目を向ければ、彼女ともう一人。

「こんにちは!」

鈴木財閥のお嬢様、園子さんがいて。

彼女達とは久しぶり、という訳でも無くて。
先日、ポアロに来た時に色々と会話をしたばかりだった。

「どうしたんですか?こんな所で」

突如、そう聞かれて固まってしまって。

彼女達は私がここに住んでいたことを知らない。
沖矢さんとの事も、私が知り合いと知っていただろうかと考えてしまって。


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