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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第65章 不行跡




ーーー

「じゃあ、行ってくる」
「うん、いってらっしゃい」

翌日の昼頃、触れるだけのキスを交わし、彼を見送った。
これ以上のキスは、互いに別れを辛くさせるだけだから。

どれくらいで帰ってくるだろうか。
彼は、早ければ数日で戻るとも言っていたけど。

こういう時は良い方への期待はしない方が良い。
そう思って、溜息を吐きながらソファーへと腰をかけた瞬間だった。

「・・・!」

見計らったかのように突然、スマホの着信音が鳴り響いた。
普段鳴ることの無いそれに視線を向けつつ、これに掛けてくる人がいただろうかと考えて。

それに心当たりがあるとすれば、風見さんくらい。

ただ、そうだとすれば用事が分からない。
半ば戸惑いながらも、震えるスマホを手に取り画面に目をやった。

「・・・え・・・っ」

そして、表示された名前を見て一瞬息が止まったようだった。

「どう、して・・・」

今、一番見たくない。
今後、見ることも無いと思っていた番号。

名前こそ無いものの、その番号には見覚えがあった。

「沖矢、さん・・・」

覚えてしまった、彼の番号。
それが今、スマホの画面に表示されていて。

出るべきか、正直迷った。

出てもメリットは無い。
けれど、このタイミングで掛けてきたということは、何か意味がありそうで。

ただ、出る勇気も無くて。

どうするか迷い決めかねていると、その着信は鳴りやんでしまった。

・・・これで、良かったんだ。
今はそう思うことにした。

出たって仕方がない。
何か有益な情報をくれるのなら別だけど。

そう思いスマホを置きかけると。

「・・・っ!」

再び、それは主張を始めた。

驚いて落としそうになったスマホを受け止めると、改めて画面を確認して。
やはり、何度確認しても出ている番号は同じだった。

これは私が出るまで鳴り響くパターンだと悟れば、電話に出る以外に起こせる行動は、あと一つだ。



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