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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第63章 再出発




「二人の時は敬語を使わないこと」
「・・・は、い・・・?」

彼からの命令に、納得の言葉を返したつもりだったけれど、そこには思わず疑問符もついてしまって。

「前にそうしてくれと言ったのに、未だに抜けないからな」
「そ、それは・・・」

まだ何となく、抜けにくいだけ。
別に深い理由なんてないけれど。

「使ったらお仕置きだからな」

そういう彼は少し楽しんでいるようにも見えて。

・・・いや、それより。

「そんなことで良いんですか・・・?」
「ひなたにできるのか?」

挑発的な笑顔に心臓が高鳴りながらも、言っている傍から敬語なことに気付いてしまった。

「で、でき・・・る・・・」

半ば無理やり敬語を抜き取り、ムキになった状態で言い返して。

・・・本音は、敬語の方が喋りやすい。
特に彼は年上だし、立場的にも上なことが多いから。

そう思っている中、零が突然頭にポスっと手を置いてきて。

「これは、僕にしか見られないひなただな」

そう言って置いた手を動かし、頭を撫で始めて。
恥ずかしさや愛おしさで、また顔が熱くなっていく。

やっぱり、彼は少し・・・ズルい。

これじゃあ、罰でも何でもない。
でも確実に私への負担はある。

零の勝ち誇った笑みに、今は浮き腰になるしかなかった。

「さて、ご飯も食べたし・・・ひなたはどこか行きたいところはあるか?」

確かに、特にすることは無いけれど。

でも、それでも今は。

「・・・もう少し、ここに居たい」

小さく首を横に振りながら答えて。
会えなかった期間を埋めるように、少しでも彼が生活をしている実感の湧くこの場所に、居たい。

そして・・・。

「もっと零のこと・・・教えて」

どんな些細な事でも良い。

私にしか知らない彼を、教えてほしい。



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