• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第62章 願い事




「んっ、ぅ・・・!んん・・・!!」

不本意ながら、昴さんから教えてもらったはずなのに。
意味が無いくらい、それは激しくて。

苦しい、けれどそれ以上に嬉しい。

素直にそう感じて良いのか分からないまま、彼を正面から受け止めた。

「・・・ッ」

唇が離れると、互いに息が乱れていて。

落ち着かない呼吸のまま、零の頭はベッドに押し込むように、私の顔のすぐ傍に落ちてきた。

「痛まないか・・・?」

突然そう問われたが、一瞬何の事だか分からなくて。
でも、それが零に撃たれた傷の事だということに気付くのに、そう時間は掛からなかった。

突拍子の無いその質問は、彼が答えを知るのが怖かったんだと、悟りながら。

「・・・大丈夫です。零が居るから」

工藤邸にいる間は、ことある事に傷んでいた気がする。
それは、零を思い出している時が多かったようにも思う。

でも今は、彼がいるから。

「・・・本当にすまなかった」
「わ、私こそ・・・勝手に飛び出して・・・すみませんでした」

よりによって、庇ったのは赤井秀一だ。

零が憎んでいる、彼で。

「アイツには、何もされなかったか」

きっとこれは、赤井秀一のことで。

アイツには・・・と言うことは今のところ零も、昴さんと赤井秀一は別人と考えているという事か。

実際、同一人物であるには難しい点もいくつかあるし。

「大丈夫です、何もされていません」

この場合、ベッドに軽く押し倒されたことは、彼の言う何か・・・に入るのだろうか。

・・・いや、私が意識していない以上、それは無い。
昴さんを意識したというのも、ある意味間違いではあるけれど。

「今後、奴から接触を図られたらすぐに報告しろ」
「分かりました」

そのやりとりは、少し探偵と助手という関係のようにも思えて。

でも・・・連絡しろ、ではなく報告しろ、というところに、どこか距離感はグッと近く感じられた。


/ 1936ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp