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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第8章 敵対心




山奥からのドライブは空気の重いもので。
安室さんが隣にいるのに恐怖に似た緊張感はまだ残っている。・・・いや、安室さんがいるからか。

「これは僕の個人的な興味からの質問なのですが」
「・・・?」

無言のドライブの沈黙を破ったのは安室さん。その発言に何かと首を傾げながら彼の横顔を見る。

「あの盗聴器、作り方はどこで教わったんですか」

ああ・・・、と妙に納得する質問だった。もう私が作ったことはバレているんだし、今更それに関しては何も隠す必要はない。

「独学です。自分で市販の物をバラしたりして学びました」
「なるほど、手先が器用なんですね」
「いえ・・・下手の横好きです・・・」

実際、きちんと使ったのは今日が初めてだったし、結果も上出来とは言えなかった。
上出来でも色々問題はあるのかもしれないけれど。

その時にふと、安室さんと普通に会話を交わしていることに気付く。雰囲気はいつもの安室さんに限りなく戻っていて。
それともこの安室さんが偽りの安室さんなのか。

「でも今後は使用を控えてください」
「・・・気を付けます」

それは今回のような使い方を?なんて屁理屈を頭の中で考えながら。

「・・・あの、私も1つだけ聞いておきたいんですけど」
「なんでしょうか」

それは今までの出来事や話の流れからは殆ど関係の無いことだけど。

「事務所の2階・・・お仕事がない間もたまに使っても良いですか」
「勿論、お好きにどうぞ」

二つ返事で了承を得た。まあ、あそこは安室さんの支配下のようなものだし、彼にとってもきっと好都合なんだろうな。
そう考えながら今後すべき行動を頭の中で整理した。

ポアロへの出勤は明後日。明日は元々事務所の日だった。
一応コナンくんや沖矢さんにはこのこと伝えた方が良いんだろうな、と思いつつも心の中で少し躊躇(ためら)った。

彼らに相談無しで勝手に行動してしまったことを伝えなければならないのもあったが、今回のことを素直に報告すると、益々安室さんが疑われてしまいそうで。

私の中で安室さんは怪しい人物とはなっているのに。寄せている好意がそれを信じないのか、それとも別の意味で信じられないのか。


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