第61章 悪い事※

「すばる･･･さ･･･ん･･･！」

そこばかり攻められては、すぐに達してしまいそうで。

それを伝えるように、首を振って抵抗とは言えない気持ちを示してみせるが、汲み取ってもらえるどころか、その的確さは増す一方で。

快楽によって乱された呼吸は荒さを増やしていく中、空気を出し入れしていた口を彼によってまた塞がれた。

「ふ･･･っ、んぅ･･･ン･･･っ！！」

食べられてしまいそうなくらい、深くて。
昴さんらしくないキスだと思えばそんな気もする。

彼のキスは何故か嫌いになれない。

でも、好きだという事では無いんだとは思う。

やっぱり罪悪感はあって。
一瞬、また零の事が浮かんで。

･･･そして昴さんの言葉を思い出してしまって。

今だけは、彼を感じる。

その言葉通り、今だけ従ってみようと思った。

また、零への気持ちを試してる。
そんな気もした。

それもまた、罪悪感で。

「んんッ！！」

指をグッと奥まで入れられて。
ビリビリとするような感覚が全身を襲い、大きく体を震わせた。

それでも彼のキスが止まることは無く、濃厚に舌が絡めとられては、時折口内を徘徊するように舐め回された。

「んぅ、ン･･･ッ、んん･･･！！」

いくら口で呼吸をしないことに慣れてきたとはいえ、大き過ぎる快楽が伴えば話は別だ。

酸素を欲する体が精一杯の力を込めて彼を押すと、やっと張り付いていた唇は離れてくれて。

「･･･っあ、･･･はぁ･･･や、ぁ･･･ッ！！」

指が抜かれては突かれ、その度に甘い声を漏らす。

静かな部屋には、その甘い声と蜜口から溢れ出る液が立てる卑猥な音だけが響いていて。

「あ･･･だ、め･･･ッ！」

あの感覚。

久しぶりに味わうそれは、麻薬のようになってしまいそうで。

それでもそこへ辿り着く為に、必死に体は求め、快楽を拾い集めていた。