第58章 こたえ
「容態はどうかしら?」
そのまま室内へと入ってきたのはジョディさんだった。
少し額に汗が滲む中、彼女と視線が合うと驚いた様子を見せられて。
「気が付いたの!?」
「ああ、悪いが医者を呼んできてくれ。痛み止めが必要だと」
「分かったわ」
一瞬慌てた様子を見せた彼女だったが、冷静さをすぐに取り戻し、再び室外へと出て行った。
赤井さんとジョディさんが話しているのを見るのは、何だか違和感があった。
・・・いや、そもそも赤井秀一が目の前に居ることが・・・今更ながら違和感だらけで。
そんな事を感じつつ痛みに耐えていると、ジョディさんはすぐに医者と看護師を連れて部屋へと戻ってきた。
痛み止めを打たれ、点滴を変えられ、あっという間に簡単な検査なども終えられた。
「まだ暫くは安静が必要ですので、無理なさらず」
「はい・・・ありがとうございました」
医者はそうとだけ残して、看護師と共に部屋を後にした。
すぐに痛み止めが効いてくれたおかげか、数分後には気分も良くなり、痛みもほぼ引いたように感じて。
「・・・大丈夫?」
落ち着いたのを見計らってか、ジョディさんが心配そうに声を掛けてきて。
「大丈夫です、ありがとうございます」
そういえばあの後・・・ジョディさんはどうしたんだろうか。
零と合わなかったんだろうか。
何かを考えれば零が浮かんで。
その度に会いたくなって。
会えない事実に悲しくなって。
「貴女、丸々四日間も眠っていたのよ」
突然ジョディさんからそう告げられて純粋に驚いた。
四日・・・?
つまりあれから四日も経っているということ・・・?
「そんな・・・」
その間、零は何を思っていたのだろう。
今、何をしているんだろう。
私がここにいることは・・・知っているんだろうか。
「悪いがジョディ、少し席を外してくれ」
「え?・・・ええ、分かったわ」
会話へ割り込むように赤井さんがそうジョディさんに声を掛けると、心配そうな視線を私に残しながら再び部屋を去っていった。