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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第58章 こたえ




「ここで起きた事を聞きたいか?」
「・・・!」

彼が振り返りながらそう尋ねてきて。

お互い、名乗りもしていない。

けれど、そんな事は殆ど気にならないくらい、お互いよく知っているような気になっていて。

「・・・知りたいです」

兄の事を知る為に行動していたのだから。

「でも・・・っ」

でも、私は頑固だから。

「私は・・・やっぱり零の口から聞きたいから・・・」

待ちたくなんて無い。
けど、この事を依頼したのは零だ。

正確には安室透だけれど・・・いずれにせよ、彼の口からその結果を聞きたい。

「・・・貴方には、貴方のことを・・・教えてもらいたいです」

兄の事も勿論気になるけど。
同じくらい赤井秀一の事も気になっていて。

「ずっと・・・お会いしたいと思っていました」

零や、兄との関係、そして昴さんとの関係。

「初めましてでは・・・無いんですよね?」

それは確認で。
あの時、ミステリートレインで会った男は彼だったんだという。

「・・・そうだな、初めましてでは無いな」

フッと軽く飛ばすような笑いを捨てられながらそう答えられて。

やっぱりあの時会った男は、赤井秀一で間違いなかったんだと、やっと確信を持てた瞬間だった。

「兄と・・・話した事があるんですか」

今までの会話からだと、兄の事は知っているような口振りだった。
組織に潜入していた彼なら知ってはいそうだけど。

「・・・残念だが話した事はない。バーボンの事ならよく知っているが」

そう話す彼は、話に聞いていた通り本当にずっと手をポケットに入れたままで。

・・・本当に、生きているんだ。

まだどこか信じられない気持ちだったが、そんな些細な部分から段々と実感が湧いてきて。

「・・・どうしてバーボンの・・・透さんの友人の、自殺を止めなかったんですか・・・」

ずっと気になっていた。
会って尚更思った。

彼は・・・本当に止めなかったんだろうか。




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