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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第55章 気付く




「本当は睡眠薬ではないと、気付いているんだろ?」

それに気付いたのは私ではないが。
ここで昴さんの名前を出すことも違うと、零の問いに小さく頷きを返した。

「あれ・・・何だったんですか・・・?」

それは知りたいような知りたくないような。
でも知っておかなくてはいけない気もして。

昴さんが言うには、私を守るものだとは聞かされているが。

「・・・知らないならそのままで良い」

零から一瞬、戸惑いのようなものを感じた。
まるで彼が墓穴を掘ってしまったように。

彼は私が、あの薬は何か気付いていると思っていたんだ。
でも実際は、それが睡眠薬では無いということしか分かっていなくて。

「嫌です・・・、教えてください・・・っ」

もう知らないことは嫌なんだ、と彼の服を掴んで訴えた。

「・・・大丈夫だ、もうあんな物飲ませたりしない」
「そうではなくて・・・!」

意地でも言わないつもりなんだと感じれば、それなりの覚悟が必要なのかということも悟って。

「零・・・っ」

彼が嫌なことはしたくない。

それでもこれだけはハッキリさせておきたくて。

「・・・聞いて後悔しないな?」
「・・・・・・っ」

そこまで予防線を張られてしまうと、固くした決意が簡単に緩いでしまいそうで。

でも私は、これ以上お互いに蟠りを残しておきたくない。

「しません・・・っ」

正直、自信は無かったけれど。

何であろうと受け止めようと思った。

小さく吐いた彼のため息を聞いた数秒後、その答えは告げられた。

「・・・あれは、緊急避妊薬だ」

それを聞いて言葉に詰まった。

やっぱり聞かなければ良かっただろうか、と一瞬後悔はした。

彼がそんな物を持ち歩いていたということには、少なからずショックはあった。
組織に潜入している以上、必要な時があるのだろう。

・・・つまりは、そういう事で。



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