• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第55章 気付く




「・・・今後の事なんだが、ベルモットの事はこちらで何とかする。それまでは、なるべくここを離れないでくれ」
「は、はい」

ベルモット・・・。
組織の事だから、私が生きていることを知るのはそう難しい事ではないだろう。

零が何とかすると言っているのだから、きっと大丈夫だ。

「どうしても出る時は、僕か風見に連絡を入れる。いいな?」
「分かりました」

恐らくこの約束を破る時は・・・会いたくない、あの男に会う時なんだろうな、と彼に悟られないように脳裏で考えた。

「降谷さん、私はこれで・・・」
「あ、待ってください・・・!」

徐ろに立ち上がり、玄関へと向かおうとする風見さんの腕を咄嗟に掴んだ。

「ご飯・・・良かったら食べて行かれませんか?三人分、用意したんです」

確認する順番は前後してしまったが、零の方へと改めて視線を向けて。

少し目を丸くした彼は、すぐに小さく息を吐いた。

「風見、せっかくひなたが準備してくれたんだ。食べて行くと良い」
「で、では遠慮なく・・・」

掴んでいた手を緩めると、風見さんが元の位置へとゆっくり戻って。
作った物が無駄にならなくて良かったと安堵しながら彼の姿を目で追うと、風見さんのスーツがシワになってしまわないか心配になってしまって。

「あの・・・スーツ、掛けますから脱いでください」

壁に掛かるハンガーを手に取りながら風見さんへとそう声を掛けると、申し訳無さそうな素振りを見せつつ、ゆっくりそれを脱ぎ掛けた。

・・・が、その手は何故か途中で止められて。

「じ、自分でさせて頂きますので、お構いなく・・・」

少し慌てて、冷や汗をかいているようにも見える。
一変した行動に小首を傾げながらも、手に持っていたハンガーを彼へと手渡した。

風見さんが元の位置へと戻り、零と何かを話す姿を横目に食べられるように支度を始めて。

どこか不思議な気分に浸りながら。



/ 1935ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp