第53章 初めて※
「・・・悪いが、優しくできないかも・・・しれない」
そう断りを入れると、ギリギリまで引き抜いてはまた奥まで一気に突き上げられて。
「あぁぁ・・・ッ!!」
大き過ぎた快楽に、彼の背中へ指を食い込ませた。
それでも耐えられない快感に全身がビクビクと震え、口からは甘過ぎる声を漏らした。
抜いては突かれ、その度に声を漏らす。
単調なようで、毎回快楽は増えていくその運動に、もう何も考えられなくなっていた。
「あ・・・やっ、ぁあ・・・れ、い・・・ッ」
気持ちいい。
ただそれだけを一心に感じて。
「・・・っ、ひなた・・・」
打ち付ける度に響く、肌がぶつかり合う音。
それと混ざって聞こえる、ナカを掻き乱される音がこの上なく卑猥で。
「んっ、や、あぁぁぁ・・・!!」
弱いところを抉りながら突くその行為に、今まで以上に甘い声で部屋中を満たした。
「れ、い・・・っ、もう・・・っ!」
イってしまいそう。
その言葉は甘い声で掻き消され、出ることはなかった。
それでも彼は察してくれる。
ただ、彼がそれを察してどうするかは・・・私は察することはできない。
「もう少し・・・待って」
そう言われ、ナカを満たしていたそれは突然抜かれてしまった。
いっぱいいっぱいだったそこから何も無くなってしまったそれに、大きな喪失感を覚えて。
「や・・・っ、零・・・!」
何度も我慢させられて、もう限界だった。
とにかく一度・・・イってしまいたい。
早く彼のモノで・・・あの快楽を得たい。
それだけしか考えられない、獣になっていた。
「一緒に、イきたい」
そう言うなり、片手で蕾を摘み上げ、耳は熱く柔らかい舌が這わされた。
「ひ、ぁ・・・っ、んん・・・!!」
最大限まで焦らされたせいだろうか。
さっきまでそこに受けていた快感とは桁違いで。
苦しいくらいに気持ち良くて。