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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第53章 初めて※




「・・・れ、い・・・、んんっ・・・」

僅かな隙間で名前を呼んでも、それは直ぐに蓋をされて無かった事にされてしまう。

このままでは、キスだけで意識を飛ばしてしまいそうだった。

「っは・・・ぁ・・・ッ」

そのギリギリの所で、唇が離れて。

ゆっくり開けた目に、知らない間に溜まった涙が薄らと視界をぼかした。

「言ったはずですよ、後悔するな、と」

それは私が彼に言った、もっと零を教えてほしいという言葉に対してのもの。

確かに、言われはしたが・・・そういう意味でとは思ってもみなくて。

「こ、後悔なんてしません・・・っ」
「その言葉も、忘れずに」

それを合図のように、彼の手はスルスルと服の裾から肌を滑ってきて。

思わず服の上からその手を抑えるが、何の意味も持たないことは私が一番よく分かっている。

「れ、い・・・っ」

膨らみを、下着の上から包まれて。
ただその手は動く訳でもなく、ただそこに添えられているだけ。

触るなら触って欲しい。

そんな欲求で頭がいっぱいになるが、それを口に出すことは無い。

「どうしてほしい?」
「い、意地悪な零は嫌い・・・っ」

何度か言った彼への言葉。
本心ではないのはきっと彼も知っていて。

「意地悪なのも僕の一部だ」

悪戯な笑みを浮かべながら見下ろす彼の瞳は、あの獣のような瞳で。

綺麗なのにどこか怖い、吸い込まれてしまいそうなそれに、欲望が掻き乱されてしまうようだった。

「どちらかと言うと、ひなたの方が意地悪だと思いますけど」

どこにそんな要素があったのかと問いただしたくなるような言葉を告げられた直後、零のもう片方の手がゆっくりと首筋をなぞって。

擽ったさに似たその刺激にピクっと体が反応すると、首元付近でその指が止められた。

「・・・これ、昼間は上手く隠していたようですけど、今は見せつけているんですか?」

一瞬何のことか分からなかったが、その手の場所ですぐに何か気が付いて。




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