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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第51章 真実を




再び、ゆっくり顔が近づいてくるのを感じれば、今度はどこに唇を落とされるか悟った。

瞼を閉じれば、その想像通りの場所へと唇は落ちて。

「ん・・・っ、う」

食べられてしまいそうなくらい深いそれは、ゆっくり味わうように舌を絡ませ合った。
いつもは無い息継ぎのタイミングも、見計らってできるくらいに本当にゆっくりとしたもので。

「ふ、ぁ・・・」

彼の服を掴むと、頬を包んでいた手は後頭部へと回され、もっと深く口付けられた。

お互いの存在を感じ合うように、それは数分間続いて。

ようやく離された頃には、完全に思考回路が鈍っていた。

「・・・話を・・・聞いてくれますか?」

それは恐る恐るといった感じで。

透さんの問いかけに小さく頭を縦に動かすと、二人でソファーへと向かい、同時にそこへ腰掛けた。

「・・・まずは謝らせてください」

そう言うと、せっかく座ったソファーから立ち上がり、私の目の前に立ち直して。

「すみませんでした」

深々と私に頭を下げた。

「や、やめてください・・・!」

突然のことに慌てふためきながら、私も立ち上がり彼の肩を掴んで頭を上げさせた。

「透さんが謝ることは何もありません。・・・き、傷付いた事もありますけど・・・」

透さんに忘れろと言われたことは、特に大きな傷を作っているはずなのに。

でも、彼が彼らしくない時、自分は思った以上に冷静になれることに驚いた。

「・・・教えてくれますか?兄のこと・・・そして、透さんのこと」

そう言うと、あまり見た事の無い彼の弱った表情に、どこかいたたまれなくなった。

静かにソファーに座り直したのを確認すると、私もゆっくりと腰掛けて。

ソファーに置いていた手は、透さんの少し冷たい手に包まれた。

お互いの熱が手を通して分け与えられるその感覚が、堪らなく愛おしく感じられた。




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