第50章 真相と
「コナンくんに彼を紹介してもらっていたのよ」
私の質問に、ジョディさんがそう答えた。
知り合いでないということは、少なくとも昴さんがFBIである線は消えた。
と、同時に赤井秀一であることも薄くなって。
「彼女達の協力があれば、心強いと思いませんか?」
私の肩を優しく包んでそう問われながら、ソファーへと誘導されて。テーブルには既に私の分のコーヒーが入ったカップも準備されていた。
昴さんの定位置の横に座らされると、その隣には当たり前のように彼が腰掛けた。
もう一々文句を言うことすら面倒なので、今は受け流すことにして。
「それは・・・まあ・・・」
てっきり、証人保護プログラムのことで話をしに来たんだと思った。
・・・まだ話していないだけで、これから話すのかもしれないが。
「・・・そういえば貴女、バーボンに殺されかけたそうね」
「!!」
突然のジョディさんの言葉に、体がピクっと反応を示した。
それは紛れもない事実だけど、真実はそうだとは限らない。
自分に言い聞かせているだけかもしれないが、それでも彼は・・・本当に私を殺すつもりだったんだろうか。
そう疑問が残るくらいにはなっていて。
「・・・はい」
ただ、今彼らが求めているのは起きたことへの情報だ。
私の勝手な期待や想像の話は・・・必要ない。
「今からでも、遅くはないわよ」
何を、なんて言われなくても分かる。
やっぱりその話をしに来たのか、と心の中で溜息を吐いては静かに目を閉じて。
「お断りします。私のことは・・・昴さんが守ってくれるらしいので」
話しながらゆっくり目を開け、彼にチラリと視線を向ければ少し驚いたようにも見える表情が視界に入った。
本当に彼にそれを求めているわけではない。
逃れる口実と、半分は利用だった。
ただ、その半分は・・・。
「そうなんですよね?」
問い詰めるような形で彼に確認を求めれば、いつもの不敵な笑みを浮かべられた。