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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第50章 真相と




「貴女を守るためです」

そんなの、守られたなんて思えない。

それに。

「私は兄のことを・・・っ」
「それについてはきちんと話します。だから・・・」

その先の言葉は無かったけれど、彼の表情を見れば言わなくても分かる。

それでも私は。

「それでも・・・嫌です」

頬には止めどなく何かが流れるけど、それが涙なんて認めない。

私の意思で流しているものではないから。

「透さんに会えない未来なんていらない・・・っ!」

彼に縋り付くように胸元を掴んで。
顔をそこへ埋めた。

意志とは反対に頬を伝うそれは、何度も同じ所を通っては床に落ちて。

貴方が怖いとすら思っていたのに。

やっぱり離れることはできないんだと確信した。

例え彼が・・・。

「ひなたさん」

震える私の肩を掴み体を離されて視線が交わると、優しく名前を呼ばれて。

過剰に目から溢れるそれが、彼の姿を歪ませた。


「・・・安室透は、この世にいません」


その顔に笑顔は残っていなくて。

分かってるはずなのに。

気付いてるはずなのに。

それでもどこか期待している自分がいて。

悔しいほどに貴方が・・・。


「私は・・・貴女を愛しているんです」


ある意味、安室透でも、バーボンでもない。

貴方自身を・・・愛してる。

そう思いながら真っ直ぐ彼だけを見つめていた視線は、彼の方から逸らされてしまって。

「・・・でも僕は、それを受け入れることはできません」

分かってる。

・・・つもりだった。

改めて彼の口からそれを聞くと、ダメージは思った以上に大きくて。

「・・・貴方と会えなくなっても・・・好きなままで良いですか・・・っ」

再び玄関の扉へと向かう背中に向かって尋ねると、少し動きを止めた彼が小さく振り向いて。

「・・・忘れてください」

そう一言だけ残し、彼は工藤邸を後にした。



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