• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第49章 緋色の




「赤井・・・?」

再び、透さんが電話の相手に問いかけて。

「お、おい!赤井がそこにいるのか!?おい!!」

冷静さを失っていく彼が・・・彼では無くなっていくような気がしてきて。

背中を向けながら電話をする彼の姿を、ジッと見つめることしかできなくて。

「状況は!?応答しろ!!」

そう叫んだ後、何かに驚いた様子で黙り込んだ。

「・・・上手くいったようですね」

そう小声で話す昴さんの笑みを、私は忘れることはないだろう。

私の中の感情はぐちゃぐちゃに掻き回され、原型を留めていなかった。

透さんが彼では無くなりそうな中、昴さんは赤井秀一だと言われ、透さんを止めたくてもできなくて。

彼の味方でいたいという思いはあるのに、透さんではなく昴さんに味方しているようで。

そして、昴さんが赤井秀一では無いことに、安堵している自分もいて。

彼が赤井秀一だとしたら、傍に居る、といった彼の言葉は・・・嘘になってしまうような気がしたから。

ただ、そう思えば思うほど、私が傍にいて欲しい人が分からなくなってきて。

私が本当に必要としている人は・・・誰なのか。

「まさかお前・・・俺の正体を・・・!?」

先程よりは小声で話しているが、それでも聞こえてくる彼の言葉に引っ掛かりを感じた。

恐らく、彼は今・・・赤井秀一と話している。

彼が生きていることは証明された。

・・・ということは、さっき透さんが言っていた昴さんの仲間とは・・・コナンくんではなく、赤井秀一に向けた・・・FBIのこと?

だとすれば昴さんは・・・。

・・・彼は一体、何者・・・?

こうなればただの探偵では通用しない気がして。

直接尋ねたくても、今は状況がそれを許さない。
彼は相変わらず画面の向こうの工藤氏に意識を向けているようで。



/ 1935ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp