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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第49章 緋色の




「コナンくん?」

彼の名前を呼びながらゆっくりドアを開いた。

小さい彼の存在を確認するには視線を下にする必要がある為、そうしながらドアを開いてみるが、目に入ったのは彼の姿ではなく、見覚えのある靴で。

その瞬間、心臓がドクンッと音を立てた。

まさか。

・・・まさか。

どうやら数時間前に感じた嫌な予感は的中してしまったようで。

恐る恐る、それを確認する為に・・・ゆっくりと視線を上げていった。


「・・・透、さん・・・」


間違いない。

目の前に居たのは彼だった。


「ひなたさん・・・?」


彼も少し驚いている様子で。

数秒間、そのまま無言で見つめ合った。

その瞬間は、時が止まってしまったかのように長く長く感じられて。

「・・・まさか貴女が出迎えてくれるとは」

冷静さを取り戻したのか、驚きの表情からは一変して余裕の笑顔を見せた。

・・・今目の前にいるのは、きっと安室透ではない。

いや、もう彼が安室透を演じる必要は無いのだから当たり前のことか。
そう自己解決したものの、危ない状況なのは恐らく変わりない。

昴さんは組織のことを知らないということで、透さんには通している。
それを信じているか定かではないが・・・もし信じていた場合、私を助けたのが昴さんだとバレたら・・・。

彼やコナンくんにも被害が出る可能性がある。

助けたのは昴さんだということは、今この状況でバレた可能性も大きい。
昴さんに相談するべきなんだろうが、彼の元へと向かって良いものか。

・・・いや、そもそも・・・何故透さんがここに・・・?

「おや、客人でしたか」
「!!」

背後からの声を聞き取ると、そこへ素早く顔を向けた。

「昴、さん・・・」

ゆっくりと近付いてくる彼に、大丈夫なのかと不安な表情を見せて。

それに気付いたのか、彼はいつもより優しめな笑顔を向けると、私の肩を掴んで彼の方へと引き寄せながら、玄関前に立つ透さんへ視線を向けた。

「こんばんは、何かご用でしたか?」
「ええ・・・少し話をしたいんですが、中に入っても構いませんか?」

透さんの挑発的な態度に、胸のざわつきは治まり方を忘れてしまったようだった。



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