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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第5章 となり




作った料理のこと、美味しかったお店のこと、最近よくポアロに来る猫のこと、友人が酔ってしまい家まで送ったこと・・・。

ただ相槌を打ち、たまにクスッと笑いながら安室さんの話を聞いて。
何でもないこの会話が本当に嬉しくて、心地良くて。

そして安室さんの声がとても落ち着く。
次第に瞼が段々と重たくなってくる。

「・・・おやすみなさい、ひなたさん」

そう聞こえた気がするが、意識は遠くに行ってしまっていて。
いつしかそのまま、眠りについた。

ーーーー

「・・・さん・・・・・・」

遠くから声が聞こえる。

「ひなたさん・・・」

私の名前・・・?

「ひなたさん」

・・・誰?

「おはようございます、ひなたさん」

まだボーッとする頭で薄ら目を開ける。目の前にはなんとなく映る安室さんの顔。

どうしてここに安室さんが・・・?

「大丈夫ですか?」

おでこに感じるヒヤリとした冷たい手。
それがとても気持ち良い。

「熱は・・・昨日同様ないですね。朝は弱い方ですか?」

そう言いながらこの部屋に唯一ある窓についているカーテンを開けて。
あまり光は差し込んでこないが、なんとなくぼんやりと部屋が明るくなった。

「・・・安室さん?」

働かない頭を奮い立たせるようにゆっくりと体を起こして。

何だか目と頭が痛い。
昨日泣き過ぎたせいか。

時計を見ると六時を指していて。

「早くてすみません、ちょっと用事が早まってしまって」

それを聞いて、なんとなく昨日のことを思い出した。

・・・そうだ、送ってもらう約束をしていた。
それに気付くと、一気に目が覚めてヒヤッとして。

「こ、こちらこそすみません・・・!すぐ準備します・・・!」
「ゆっくりで構いませんよ」

彼は、慌てる私を笑いながら見つめ、コーヒーを入れてくれた。
急いで着替えを済ませ、安室さんの入れたそれに口をつけて。

ポアロで入れるものとは勿論違うけれど、これも美味しい。

「ああ、そうだ」

何かを思い出したように安室さんが徐ろに口を開いて。

「実は少しの間、探偵業をお休みしようと思っていまして」
「・・・え」

それはつまり。

「私、いらなく・・・なりますか・・・?」

それを聞いた安室さんはキョトンとした顔をして。
暫くの間の後、小さく笑った。


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