第44章 掠めて※
「ン、ぁっ・・・ぁああ・・・ッ!」
彼が腰を打ち付ける度、結合部からは音と愛液が溢れ出て、口からは甘ったるい声が漏れた。
好き。
どうしようもないくらい、貴方が・・・好き。
生涯、こんなに愛せる人ができるなんて、兄を失った時には思いもしなかった。
兄の末路を知ることができなかったのは心残りだけれど、あっちに行けば会えるかもしれない。
そこでは透さんの話をして・・・。
・・・いや、怒られちゃうかな。
どうしようもない、こんな私を・・・許して欲しい。
そんな身勝手な願いをしながら、全身をビクビクと痙攣させて喘ぎ続けた。
「あぁ・・・っ!透さん・・・透、さん・・・ッ!!」
「・・・っひなた・・・さん」
僅かに歪んだ表情を見つければ、彼もその時が近くなっていることを悟った。
「あっ、イ・・・ちゃ・・・ッ!!」
「一緒に・・・イかせて差し上げますよ」
そう言って、弱い部分を抉るように通過しては、一番深いところまで強く突き上げた。
「あぁぁ・・・ッ!!」
大き過ぎる快楽が、私を醜い動物にしていく。
快楽だけを求める、それに。
「あ、ン・・・っやぁ・・・ッ!!」
もう、我慢なんてできなくて。
初めからしてはいないけど。
体を蝕んでいくように、その快楽は体中を包み込んだ。
「あぁぁぁああ・・・ッ!!!」
「・・・・・・ッ」
ナカに、熱いものを感じる。
必要以上に押し殺すような彼の声にならない声を聞いたのを合わせると、彼もイったんだと察した。
・・・そっか、今日は付けてなかったから。
腟内に放たれた物を察しながら、荒くなりきった呼吸を落ち着けた。
「・・・っ、ん・・・」
ズルッと膣内から彼のモノを取り出し、自身の身なりを綺麗に整え始めて。
私はきっとこのままだろう、な。
寧ろこのまま、彼と繋がっていたことを証明する今のまま・・・殺して欲しい。