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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第44章 掠めて※




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「・・・・・・?」

冷たい床に体温を奪われているのを感じ、目が覚めた。

あまり良いとは言えない目覚めに、顔を顰(しか)めながら体を起こそうとするが、手は体の後ろで拘束されていて。
足にもテープが頑丈に巻かれており、その瞬間捕らえられていることを悟った。

周りを見回すと、ドラム缶や木箱、コンテナなどが積まれていて。
どこかの廃工場のようなそこは、冷たくて薄暗い場所だった。

「目が覚めたかしら」

その場で反響するように声がどこからか響いて。

声のした方へ目を向けるとそこには、綺麗な長いブロンドの髪色をした外国人の女性が、何かに座りながら煙草を吸っていて。

その美しい風貌に、一瞬目を奪われた。

「初めまして、で良いかしら?子猫ちゃん」

煙草を投げ捨てると、ヒールの音をコツコツと鳴らしながらこちらへ近付いてきて。

声を出そうにも、口にはテープでしっかりと封がされていた。

「貴女には聞きたいことがあるのよ」

目の前で立ち止まり、封をしていたテープを勢いよく剥がされれば、そこから一気に空気を取り込んだ。

「貴女は・・・誰ですか・・・」
「質問をするのは私の方よ」

その声は恐ろしいくらいに威圧的で、美しいものだった。

手の甲で頬を撫でられると、自然と体が震え始め、改めて恐怖というものに襲われて。

「貴女、バーボンとはどういう関係かしら?」

一瞬、動揺して目を見開いてしまった。

彼女の口からその名前が出てきたということは、やはり目の前の人物は・・・。

「ベルモット!」

「・・・!!」

また別の方から声がして。
その声は今一番聞きたくない、聞き覚えのあるもので。

そしてその呼ばれた名前も・・・予想していたものとは合致したが、できれば出会いたくない人物ではあった。

「どうして彼女がここに?」

暗闇から段々と姿を表す透さん・・・バーボンに、冷や汗が溢れ出した。
呼吸が乱れ、空気を上手く取り込めなくて。

「あら、貴方が一番よく分かっているんじゃないの」

ベルモットと呼ばれた女性と淡々と会話をする姿は、私の知っている安室透では無くて。



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