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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第42章 不信感




「普通、円の外側から時計回りですよね?」
「ああ・・・」
「て、ことはさー・・・」

警部さん達がそう会話をする中、コナンくんが付け足すように言葉を繋げて。

「犯人は左手でライターの火をつけようとしてた・・・神立さん、ってことになっちゃうよね?」

一々人の動作を確認していたのだろうか。
彼の洞察力は、やはり小学生とは思えないものがある。

「なるほど、左利きだと花丸の渦は逆回りになるわけか・・・」
「い、いや!俺は確かに左利きだが、花丸は真ん中から描く派なんだよ!だからその花丸は俺が描いたんじゃ・・・」

高木さんの言葉に、神立と呼ばれた男は両手を振って反論した。

「いや、あの花丸は二つとも、渦巻きの中央で線が細まり抜けていた。外側から描いた証拠です」
「・・・・・・ッ」

その後も、色々な証拠を透さんから突き付けられ、神立という男は自供を始めた。

動機は、子どものテストの採点が間違っていると澁谷先生に直接抗議に来たのだが、アメリカ時代の癖だと笑って言われたことだったという。

確かに澁谷先生にも非はあるかもしれないが、お互いきちんと話し合っていれば、こんなことにはならなかったのに、と現実から背くように彼らから視線を逸らした。

「す、すみません・・・!!」

犯人を連行する直後、この学校の教師だと思われる女性が、顔を青くしながら入口でそう叫んで。

「今、病院から連絡があって・・・澁谷先生の容態が悪化して危険な状態だと・・・!」
「・・・!」

それを聞いてすぐさまジョディさんに視線を向けた。
彼女もまた、顔面蒼白で。

言葉を聞き終わるや否や、彼女は部屋を飛び出して行った。それを追い掛けるように、キャメルさんとコナンくんも部屋から出て行った。

「僕達も向かいましょう」
「あ・・・はい」

そうだ、澁谷先生は一応透さんのクライアントだ。
彼女の様子を確認するのは義務がある。

ただ一つ気になったのは、彼に妙な落ち着きがあるところ。

確かに焦っても仕方がないのだが・・・その違和感は大きく心の中で引っ掛かった。



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