第42章 不信感
誤解・・・?
それって・・・つまり・・・。
「それじゃあ、そろそろ謎解きといきましょうか」
コナンくんはその場に立ち尽くしたまま、透さんだけこちらの方に戻ってきて。
付けていたワイヤレスイヤホンは気付かれないように外し、そっとポケットにしまい込んだ。
透さんが警部さんやFBIの人達と写真について話しているが、そんなことは耳に入ってこなくて。
コナンくんの表情はどんどんと険しいものになり、透さんを睨み付けているようにも見えた。
「・・・・・・」
さっきのコナンくんの質問・・・そして、それに対する透さんの答え。
それが誤解という言葉で返ってきたということは・・・自分は組織側の人間だと、彼が宣戦布告したようなものに思えて。
だとすれば、コナンくんのあの表情にも納得ができた。
「・・・?」
ふとコナンくんが、今度はジョディさんを呼んで。
・・・なんだろう、何を話しているんだろう。
ジョディさんと話している間も彼の表情は変わることは無く、寧ろもっと険しさを増していた。
イヤホンを外してしまったことを後悔しつつも、透さんがここまで近くにいると流石につけ直すことは難しい。
「そうですよね?ジョディ・スターリング捜査官?」
「え?」
彼らの会話を打ち切るように、透さんが突然話し掛けて。
「ちゃんと聞いていてくださいよ。あなたの友人の女教師を、あんな目に合わせた犯人を解き明かそうとしているんですから」
それは私にも言われているようで。
・・・そうだ、今はこの事件を解決することに集中しなきゃ。
元々私はそういう理由でここに呼ばれたのだから。
「では、ひなたさん。この写真を見て貴女が気が付いたことを教えてください」
「・・・え?私ですか?」
突然そんなことを命じられ、肩を上げて驚いてしまった。
「ええ、FBIの方達は気付いていらっしゃらないようなので」
チラリとFBIに向ける視線は、相変わらず挑発的で。
早くこの場を離れたい思いでいっぱいになった。