第42章 不信感
「やはり読み取れたのは、ひなたさんと僕達だけだったようだよ!」
「僕達?」
「そうだろ?江戸川コナンくん?」
透さんがコナンくんに視線を落としながら、そう言い放った。
コナンくんは写真には見向きもせず、あの三人へと視線を向けていて。
透さんに名前を呼ばれ、少しどぎまぎした様子で振り返った。
「え?何の事?」
「君、写真を見た後ガン見してたじゃないか。犯人のことを・・・」
惚けた様子のコナンくんに、透さんも三人に視線を移しながら畳み掛けるように続けた。
「え、じゃあ・・・」
「分かったのかね?犯人が!」
「ええ、大体は」
警部さん達に詰め寄られるように問われる中、透さんの表情には自信に溢れたような笑みがあって。
・・・その笑みはどこか、バーボンを感じるようだった。
「しかし、ようやく謎が解けましたよ」
この事件の話だろうか、と彼の言葉の続きを待っていると、透さんが向けた視線の先にはジョディさん達がいて。
「ずっと疑問だったんです。なぜ彼女は探偵の僕にストーカーの調査を依頼してきたのか。FBIのご友人がいるというのに」
「ちょっと!それどういう意味!私が頼りなかったって言いたいわけ!?」
・・・ダメだ、また言い合いが始まってしまいそうだ。
どうやって止めようかと考えていると、今度はキャメルさんが二人の間に入って。
「頼みづらかったんじゃないですか?我々は観光で来日しているわけですし・・・」
「なるほど、観光ですか」
そういうことになっているんだ、とコナンくんに視線を向けてみるが、彼の瞳は相変わらず透さんを捕らえたまま離す様子も無かった。
「ビザがないなら、そろそろ滞在日数が限界に来てるんじゃないですか?観光を満喫したのなら、とっとと出て行ってくれませんかねぇ・・・」
そう言った瞬間、彼の目付きが変わり、その顔からは笑顔が消えた。
その纏う雰囲気はあの時感じた、安室透でもバーボンでもない彼に似ていて。
「・・・僕の日本から・・・」
FBIに言い放った彼の言葉は、何よりも強く、信念を感じられた。