• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第42章 不信感




「少しは落ち着きましたか?」
「・・・はい」

まだ気持ち悪さは残るが、目眩や吐き気は落ち着いてきて。

ゆっくり閉じていた瞼を持ち上げると、目の前には片膝をつき、心配そうに軽く笑みを浮かべる透さんがいて。

彼の姿が見えるだけで安心するようだった。

「・・・すみません、迷惑ば・・・っん」

視線を落としながら謝りかけた時、透さんの人差し指が唇に当てられ、動きを封じられた。

「言わない約束です」

言い聞かせるように言われれば、心臓がドクンと音を立てて。

彼にとっては今飲み込んだ言葉も、迷惑をかけたくなかった、という意味と同じに捉えられているようだ。

視線が混じり合い、お互いその言葉を認識しあった事を確認すると、封をしていた指はゆっくりと外された。

「如月さん、大丈夫・・・!?」

心配そうな表情でジョディさんとキャメルさんが駆け寄ってきて。

「もう・・・大丈夫です。ご心配お掛けしてすみません」

まだ万全とは言えないが、どうにか笑顔を作って誤魔化した。下手な嘘だと言うのは、自分が一番良く知っている。

「そう・・・?まだ顔色が良くないようだけど・・・」
「ジョディさんはまだ話があるでしょうし・・・何なら、私が家まで送りましょうか?」

心配そうにするジョディさんの横で、キャメルさんがそう提案してくれた。

個人的にはここを離れたい気持ちもあったが、それ以上に透さんの傍に居たいという思いが強くて。

「君と二人で、というのは僕が許可しません」

まだ私は何も言っていないのに。

キャメルさんの言葉へ、すかさず透さんが割って入って。

「アンタが許可するかどうかの問題ではないだろう」
「彼女がこうなっている原因を知らない君には、少なくともお任せできませんね」

・・・ということは、透さんには私がこうなってしまった理由が、分かっているということなんだろうか。

まあ、透さんなら分かっていてもおかしくはないけれど。



/ 1935ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp